六十、七十ははな垂れ小僧・平櫛田中の「鏡獅子」を見に行く@小平
「小平に行くなら平櫛田中美術館に寄りたい」
そんなメールが入ってました。
「?」です。
地図「こだいら歩っとまっぷ」を眺めてたら、立川断層の講演会は西武多摩湖線の「青梅街道」駅。
平櫛田中(ひらくし・でんちゅう)彫刻美術館は、手前の「一橋学園」駅。
なーんも知らないけど、ちょっくらのぞいてみるか。
食わず嫌いじゃ成長がないからね。
門から大木が見えます。
樹齢500年は下らない楠です。
直径1㍍90㌢。
平櫛が100歳になってから求めた彫刻用の原木です。
100歳です。書き違いじゃないです。
楠は色調が複雑で独特の味わいと芳香があるので仏像やお面に使われてます。
100歳になっても平櫛は創作意欲は衰えなかった。
向こう30年分の原木が乾燥のために寝かせてあった。
これで横山大観や地唄舞の竹原はんの像をつくる予定だったそうだ。
「六十、七十は鼻たれ小僧、男ざかりは百から百から、
わしもこれからこれから」
これは当時の語録のひとつだ。
澁澤栄一のころは「四十、五十ははな垂れ小僧」だったが、寿命も延びた。
代表作の「鏡獅子」。(絵はがきを複写しました)
歌舞伎座に25日間通い、ポーズは6代目菊五郎と相談して決めたそうです。
国立劇場に展示されており、ここにあるのは約4分の1のサイズ。
地下の展示室には「鏡獅子試作頭」や「試作裸像」があります。
まず裸像をこしらえて筋肉の動きや体のラインをつかむ。
そのうえで衣装を着せた像を彫っていく。
うまくいえないけど、すごいもんです。
「五十鈴老母」というブロンズ像がありました。
穏やかな表情のおばあさんです。
「何ですか?」
受付の人に訊きました。
「赤福のおばあさん。赤福では家宝にしてるそうですよ」
完成品は赤福の家にあります。
「赤福のれん」だったっけ、テレビドラマでありましたよね。
あの女将かな。
「平安老母」(ブロンズ)というのもありました。
こちらは東京・九段の老舗筆屋のおばあさん。
宗匠みたいで、女性には見えません。
赤福のおばあさんのは対照的で、そんなところに興味を持って回りました。
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近々、小平に行きますので、ふるさと村に寄るかな~と
ぼんやり考えていましたが、「樹齢500年は下らない楠」は
是非観たいものです。
地図を調べています(方向音痴は苦労します)
投稿: かたつむり | 2013年2月19日 (火) 19時45分
田中美術館の近くを流れる玉川上水を「一橋学園駅」から
小平桜橋に出て久右衛門橋を通って「たかの台駅」まで
約一時間の道は気持ちのいい散歩道ですよ。
特に新緑の頃、雑木林の中を歩くのが最高です。
また、小平霊園裏にある東久留米市柳窪の「屋敷林と村野家住宅」も
一昨年、国の有形文化財に指定され、いいところですよ。
こちらは、民家園と違って現在も代々お住まいです。
ただし、非公開。
投稿: 芙蓉酔人 | 2013年2月19日 (火) 23時13分
かたつむりさん。
わたしもふるさと村で、武蔵野うどん(土日、1日50食限定だったかな)を食べたいと思ってます。
楠はでかい切り株です。乾燥させてます。
投稿: 多摩散歩人 | 2013年2月20日 (水) 09時39分
芙蓉酔人さん。
ありがとうございます。
一橋学園から美術館までちょっとだけ歩きました。
たぬき調査の看板なんかがありました。
住み着いてるんでしょうか。
投稿: 多摩散歩人 | 2013年2月20日 (水) 09時41分