おごそかです・天の人を見返って神々しいぞ@調布の野草園
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雲の上に立つ天人だとか、あるいは虫に食われた葉の様子が天の羽衣とかいわれます。
由来ははっきりしませんが、天に住む人をイメージしたのは間違いない。
それじゃなければテンニンソウなんて名づけ方はしません。
何かこの世ではないものを感じ取ったに違いない。
西方浄土に咲く花か。
そう思うとエキゾチックでもあります。
いわゆる花のイメージじゃないですからね。
仏具のようでもあります。
こんな仏具があるかは知りませんが・・。
単なるイメージです。
天人の割には、惜しげもなくいっぱい咲いてます。
隣にはよく似た花があります。
ミカエリソウ。
思わず振り返って見てしまうほど、だという。
同じ種です。
どちらもシソ科テンニンソウ属。
先端から開くのがテンニンソウ、下からがミカエリソウと区別してます。
美しさで見返るんではなくて、特異さからではないですか。
素直に美ししさで言ったら、もっと大輪で華やかなのがいっぱいある。
テンニンソウと同じように、この咲き方から常ならぬものを受けたんでしょう。
温室や輸入の園芸種で珍しいのを見慣れてる現代人は、いにしえ人の感性と隔たってます。
テンニンソウやミカエリソウと名づけた人たちの心に迫りたいんですが、あまりにも汚れちまってます。
ススキに寄生してるのは、もう終わってるけど、ここは健在だ。
ミョウガのそばにナンバンギセルが。
寄り添うのはミョウガでもいいんです。
ススキとミョウガに何か共通項があるのか。
命題は立てましたが、見当もつきません。
寄生するのはイネ科やカヤツリグサ科などの単子葉植物。
ススキ、サトウキビ、ミョウガ、ギボウシなどーーという。
ミョウガはショウガ科だけどなあ。
「道の辺の 尾花が下の思ひ草 今さらさらに 何をか思はむ」(万葉集)
新古今では和泉式部が詠んでます。
「野辺見れば 尾花がもとの思ひ草 枯れゆく冬に なりぞしにける」
恋多き女の失恋歌。
激しかったんでしょう。
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テンニンソウやミカエリソウ…ゆかしい名前に触れると嬉しくなります。
ミカエリソウは、フッキソウにも少し似ているような…?
ナンバンギセル、とても美しく撮れていますね。
湧水の所のミョウガの下をさがしてみます。
ホトトギスは、野草園の人に和種を見たいと言ってみます。
お天気も良くなりそうで、とても楽しみです。
いろいろ情報をありがとうございます。
投稿: かたつむり | 2012年10月23日 (火) 09時29分
かたつむりさん。
テンニンソウ、ミカエリソウはちょうど見ごろになってるでしょう。
野草園から深大寺に行くのでしたら、高速をくぐって農業高校南の広場に出て、
左の方に坂道がありますので登ってください。
道路に出ますので右に道なりに行くと深大寺小前の交番のところに出ます。
畑がひろがってて、里の雰囲気です。
庭先販売所もあります。
神代植物公園では、流れのところのセキヤノアキチョウジが群れてます。
イチゴノキの向かい、野草園に戻ったところの、何とか桑の近くにケンポナシの実がなってます。
不思議な実だよ。
投稿: 多摩散歩人 | 2012年10月23日 (火) 10時41分