何やらゆかし菫草(すみれぐさ)の秘密@野川公園
スミレって、どうしてコンクリやアスファルトのすき間に生えるんでしょうか。
よく見ますよね。
道路の端っこにかわいい紫の花を咲かせてるのを。
芭蕉じゃなくても、ゆかしというかけなげに感じて、よけいにいとしく思う。
芭蕉も、山路の石の間かなんかに咲いてるのを見て趣きを覚えたんでしょう。
真ん中にプロペラというか、竹とんぼの羽みたいな茶色いのがあるでしょ。
スミレのタネです。
葉っぱが長細いからスミレですかね。
このタネにはアリが大好きな「エラオイゾーム」というゼリー状の物質がついている。
アリはせっせと巣に運び、ゼリーを食べ終わるとタネを巣の外に出してしまう。
アリの巣はコンクリのすき間なんかにもありますよね。
おまけに土や食べ残しなどの栄養も巣の外に出している。
タネが育つには申し分のない環境。
こうして根性スミレが育つんです。
まだありますよ秘密が・・。
こっちはアオイスミレでしょうか。
葉がハート形ですから。
葉のくぼみから出ているのは花なんです。
えっ、うそっと思うでしょ。
春先のとは全く異なる夏の花。
2度花をつけるんです。
夏の花は開かない。
ハナバチに受粉を助けてもらう必要がないんです。
というか、夏にはハナバチは蜜を吸いにきてくれない。
そこで考えたのが、自分の雄しべと雌しべで受粉してしまう方法。
開かない花、閉鎖花の中で自己完結して受粉してしまう。
遺伝的にはベストではないが、とにかく確実にタネが残せる。
「ゆかし」どころか、したたかに生きてるんです。
ほかに閉鎖花をつけるのは、ホトケノザ、センボンヤリ、フタリシズカ、ツリフネソウ、ミヤマカタバミ、キキョウソウなど。
センボンヤリのは見たことがあります。
植物って面白いです。
とても小さなつぼみがありました。
ヤブコウジですよ。
秋には赤い実をつける。
お正月の縁起物十両です。
梅雨の頃には咲くってんで、通うたびにチェックしてました。
開くのを待ちきれずに載せちゃいました。
先日、一両アリドオシの写真を載せましたので、お時間のある方はクリックしてみてください。
スミレの秘密は「身近な雑草の愉快な生きかた」(稲垣栄洋、ちくま文庫)にお世話になりました。
« 強えー!最強チームだ・ヨルダンに6−0完勝&「本田に“番長”の称号を」とマチダ | トップページ | やたら茂ってるイネ科のお勉強・まずはクサヨシ@野川公園 »
「野の草や木」カテゴリの記事
- ホオノキも咲いちゃった、ハナイカダ、ハイノキなど@神代植物公園(2018.04.19)
- 青い花が次々にチョウジソウ、ヒイラギソウ、ホタルカズラなど@野川公園(2018.04.17)
- 今年も咲いたよ珍しいユウシュンラン&キンラン早いね@野川公園(2018.04.13)
- キンラン咲いてるよ、珍しいユウシュンランも出現@野川公園(2017.04.26)
- 満州のすみれと日本のすみれ・あちこちで咲き誇ってます@植物多様性センターのを紹介(2018.04.08)
コメント
トラックバック
この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/1320081/45591557
この記事へのトラックバック一覧です: 何やらゆかし菫草(すみれぐさ)の秘密@野川公園:
« 強えー!最強チームだ・ヨルダンに6−0完勝&「本田に“番長”の称号を」とマチダ | トップページ | やたら茂ってるイネ科のお勉強・まずはクサヨシ@野川公園 »
スミレの種、初めて見ました。
今まで、観ようとしていなかったのでした。
それから、アオイスミレのあれは、花だったのですね~!
春に咲いたのだから、種かと思っていました。
浅はかもいいところ…
数年前、友人の青梅の畑でヤブコウジの花を沢山見ました。
後で、調べて名前を知りました。
楽しく拝見、ありがとうございました!
投稿: かたつむり | 2012年6月10日 (日) 20時19分
かたつむりさん。
植物の知恵ってすごいです。
まだ、高幡不動に行けてません。
八重のドクダミ、クロバナロウバイを早く見たいもんです。
投稿: | 2012年6月10日 (日) 20時51分
へ~え、知らなかったなあ!
私も種、初めて見ました。
可憐に見えるスミレも実は…、
たくましく、自然界を生きているのですね。
拍手!拍手!
投稿: ちゃちゃ | 2012年6月10日 (日) 20時56分
ちゃちゃさん。
花小金井駅の南口から北口に行く踏切手前の空き地にスミレがたくさん咲いてました。
御衣黄を見に行ったときに、気づきました。
投稿: | 2012年6月10日 (日) 22時51分