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2012年4月10日 (火)

こんな本を読んだ「嘘の色、本当の色 脚本家荒井晴彦の仕事」

「大鹿村騒動記」ではキネマ旬報賞の脚本賞を受賞、新たな一面が評価につながったようだ。

荒井の個性、こだわりにアレルギーを示して反発する若者も多かったけど、ナマなこだわりをオブラートに包むすべに長けてきたのかな。

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著書では、こんなことを言っている。

「ソ連や中国が社会主義だとは思っていなかったけれど、理念は正しいと思っていたんだよ。

理念を現実化しようとするとこうなるのか、やり方が間違っていると。

でも、それがその理念が必然的にはらんでいるものではと思い始めたのはここ10年」

「おかしいことはおかしい。間違ってることは間違ってると、左とか右とか偏りなく考えられるようになっただけ」

ソ連や中国ではない、ありうべき道があると信じたかったもんね。

学生運動の呪縛からようやく解き放たれたのか。

遅れてきた「転向宣言」か。

でも、まだ残滓というかこだわりがナマに出ている。

荒井は言う。

「だから『大鹿村』で目立たない程度にはやっている。三國(連太郎)さんがシベリア帰りという設定にしてね、『シベリアからやっと戻ってきたけど、簡単に人間に戻れなかったんだ』って台詞を書いた」

オレには目立ってた。

異質のボールが投げ込まれたようでバランスを失った。

三國さんに直接語らせるのではなく、第三者の言葉の端で分からせるなど、もっと包み込んでしまってもいいように感じた。

見終わってから気づく程度でいいんじゃないか。

伝わらなければそれで良し。

と、まじめなことを連ねて、この本は、川崎市民ミュージアムで行われた特集上映「脚本家荒井晴彦」の記録集。

各回のゲストとのトークイベントを中心に荒井へのインタビューを加えた内容。

トークのゲストは根岸吉太郎、柄本明、足立正生、澤井信一郎、白鳥あかねの各氏ら。

その日の上映作品について語り合い、荒井の脚本作りのこだわりに迫っていく。

オレがもっとも共感したのは「リボルバー」(監督藤田敏八)の日の鈴木則文監督の発言。

拳銃のタイトルなのに実は一発も撃ってない。

「映画は撃ってこそピストルだよ。…誰が、なぜ何に向かって引き金をひくのか。それを映画は見せてくれなくては。

撃ってこそ映画だ」

則文さんが東映流というなら、オレは東映流を見たいな。

特集上映が行われたのは2008年。

荒井のホンというと条件反射で拒否反応を引き起こした向きもあったが、こうして特集や脚本術に迫ろうという根強いファンがいる。

もう2、3本、いい仕事をするとゆとりも生まれて来るんじゃないかな。

練熟の過程を追う必要がありそうだ。

発行は川崎市市民ミュージアム。044・754・4510(学芸室)

税込み1500円。


市民ミュージアムがネットで売ってるようだが、アマゾンで検索しても出てこないので本屋さんでは売ってないかも。

         wine        wine

5日にあるパーティーで黒澤満プロデューサー(高校3期)にあったら「荒井は来ないのか」といって、気にかけていた。

ありがたいね先輩は。


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