フォト
無料ブログはココログ

« シーボルトが持ち帰ったクレマチスの原種カザグルマ@井の頭公園 | トップページ | 大人も子どももザリガニ採りに夢中@野川公園 »

2011年5月15日 (日)

こんな飲み屋を訪ねたいね「東京シネマ酒場」

著者の高橋渡さんは、今はなき伝説のミニシアター「恵比寿ガーデンシネマ」の元支配人。1994年の開館からずっと支配人を務め、他の単館系とは一線を画した作品を上映して根強いファンを集めていた。その仕掛人だ。


Cimg3179

親会社の身売りなどもあってラストの何年間かは大変だったんだろう。「十数年疾走し、力尽き、2011年に満身創痍で倒れました」とあとがきに記している。K-POPの劇場になるようだ。時代だね。

こんなに都内各地の飲み屋を訪ねてたんだ。さすが通だね、いいとこを知ってる。

飲み屋と映画のマッチングがそそられる。「東京シネマ酒場」(祥伝社)、サブタイトルは「あの名作と出逢える店を酔い歩く」。

ますます気に入った。

最初に取り上げるのは新橋の「ダイヤ菊」。長野県の酒蔵「ダイヤ菊酒造」(現諏訪大津屋本家酒造)東京唯一の特約店だ。小津安二郎監督が愛飲した酒です。

小津さんのお燗(かん)の温度は決まって55度。「お店にそんなこと要求しちゃいけない。ええっ、してくれるの! じゃ、私もそうしてもらおうかなっと(注・してくれませんのでそのように)」。斜に構えようとするが根っからの小津ファンです。

だから新宿ゴールデン街の「ジュテ」では“小津安二郎ごっこ”に興じる。誰かが笠智衆の物まねで劇中の台詞をつぶやく。

それにあわせて、中村伸郎や佐分利信、浪花千栄子が登場して「晩春」「お茶漬けの味」「秋刀魚の秋」などが再現されるという寸法だ。

浅草の「さくま」では任侠映画に思いをはせ、東映の名コピーライター関根忠郎さんと日本ヘラルドの広木貢さんが、お互いの仕事を交換したエピソードを披露する。

つまり洋画の広木さんが任侠映画、関根さんが洋画のコピーをつくったのだ。もちろん会社には黙って。東映も日本ヘラルドも気づかなかったそうだ。

帝国ホテル「オールドインペリアルバー」の勘定はショーン・コネリーのツケにした。コネリーが12年ぶりにジェームズ・ボンドを演じた「ネバーセイ・ネバーアゲイン」(83年)来日キャンペーンの時だ。

コネリーがボンドを演じてはいるが「007」はつかないママッコの作品だ。コネリーの部屋は1泊50万円。宣伝担当だった著者は「オールドインペリアルバー」で一杯やって、チャージはコネリーのルームナンバーにつけ、執事の間に潜り込んだという。

銀座、八重洲、中野の3軒になってしまった「ブリック」のトリハイ(トリスのハイボール)からは、トリスウイスキーの宣伝コピーを書いた作家の開高健氏との仕事につながる。

ニューヨークの劇場でコッポラ監督の「地獄の黙示録」を見てもらう約束だったが、見終わった作家は言葉少なに街に消えてしまった。宣伝マンとしては完敗だ。

青春だね。

Cimg3249

思い返せばこちとらは、著者みたいな上品な飲み方じゃなかったな。

反省してももう遅いか。

     sun      cloud

こんな写真が出てきました。帽子に半ズボンはコッポラ監督。話してるのは通訳の原田真人さん。映画監督になる前です。

青春だったね。

« シーボルトが持ち帰ったクレマチスの原種カザグルマ@井の頭公園 | トップページ | 大人も子どももザリガニ採りに夢中@野川公園 »

書籍・雑誌」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/1320081/39988364

この記事へのトラックバック一覧です: こんな飲み屋を訪ねたいね「東京シネマ酒場」:

« シーボルトが持ち帰ったクレマチスの原種カザグルマ@井の頭公園 | トップページ | 大人も子どももザリガニ採りに夢中@野川公園 »

2017年5月
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31