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2011年5月 9日 (月)

日本はタロイモ文化圏の北限・つーことが意味するもの

あなたの家では雑煮に何を入れますか? 

味はすまし汁、ミソ仕立て、しょうゆ味など地方によってさまざまだが、基本的に共通しているのは里芋を具に加えること。いろいろバリエーションはあるが、里芋が入ってないのは正しいニッポンの雑煮とはいえないのだ。

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雑煮ばかりでなく正月料理に里芋の煮物も欠かせない。

芋煮会といえば山形だが、愛媛や島根など各地でも芋煮会が行われている。

「芋名月」の風習も残っている。東北では旧暦9月13日、近畿以西では旧暦8月15日の十五夜に、だんごではなく里芋を備える。

ハレの日、特に最大のハレ正月に里芋を食べ、祝いの席に里芋が使われるのはどうしてなのか。

野川公園に生えていたマムシグサがサトイモ科、つまりタロイモの仲間ということから、あらぬ方向に行ってます。きっかけのマムシグサについてはこちらです。

マムシグサには芋はできないだろうし、食用にするという話は聞いたことはありません。

でもいいんです。日本人はどこから来たのかを考えたいんです。

もう1つのイモ、ヤマノイモ(ジネンジョ。ナガイモは中国から伝わった栽培種)はヤムイモの仲間。

タロイモ、ヤムイモを食する文化は8000年前〜1万年前にインドシナ半島からインド東部の熱帯アジアで始まっている。(サツマイモ、ジャガイモが伝わったのは江戸時代とごく最近)。

写真は「人間は何を食べてきたか[アジア・太平洋編]㊤ 麺、イモ、茶」(日本放送出版協会)。パプア・ニューギニアの人たちがおいしそうに食べているのはバナナの葉で蒸し焼きにしたタロイモです。1990年の発行ですが、時々読み返します。

パプア・ニューギニアでタロイモ栽培が始まったのは9000年前。いまでもタロイモとヤムイモを主食にしている人たちがいる。

東南アジアから伝わったものだ。

インドネシア、南太平洋の島々へと伝播したルートとは別に、黒潮に乗ってフィリピン、台湾、日本へともたらされた。

これが北上ルート。

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(浅間山公園で見つけたミミガタテンナンショウ。これもサトイモ科。大型連休中に行ったらなくなってた。誰か持って行ってしまったのか)。

台湾のランショウ(蘭嶼)島に暮らすヤミ族は黒潮に乗って北上してきた海洋民族の末裔だ。

日本の水田に似たイモ田が広がり、タロイモの一種であるミズイモを栽培して主食にしている。

ランショウ島にとどまらず、さらに黒潮に乗って北上を続けた人たちもいたに違いない。

彼らは琉球や日本列島に到着し、携えてきたタロイモの栽培を始めた。ただ、これ以上北には行けなかった。

タロイモの栽培には不適だったためだろう。だから日本がタロイモ文化圏の北限となった。

それは列島でイネの耕作よりもはるか昔のことだった。

山地に自生するヤマイモに対して、里で栽培されるので里芋と名付けた。

稲作が始まる前の列島は狩猟・採集生活だったと言われているが、タロイモの田んぼがすでに広がっていたと考えてもおかしくない。稲作がスムーズに浸透したのは、すでにイモ田の技術があったからだともいう。

豊葦原瑞穂(とよあしはらみずほ)の国は稲作伝来から始まったのではない。その前に南からやってきた人たちの基層文化があった。

彼らは北や半島から来た人たちと混じりあい、縄文文化をになった。里芋は大事な食べ物だった。

その数千年前からの記憶がサトイモ文化に伝えられているのだろう。

食文化って奥が深く、興味が尽きないですね。

(上記の本「人間は何を食べてきたか」にお世話になりました)。

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