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2010年10月29日 (金)

地獄を見た映画作り・笹倉明著「映画『新・雪国」始末記」

映画「新・雪国」といってもほとんどの人が知らないだろう。おそれ多いタイトルだ。川端康成を超えようってのかい。無謀な試みに突き進み、すっからかんになった小説家の顛末記だ。

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三鷹図書館で物色していたら、この本を見つけた。映画は知っているので手にしたが、著者は知らない。奥付によると直木賞作家で原作者、目次をめくると出資して大損したようだ。

時々、こんな人がいて泣きを見る。他の本と一緒に借りてきた。

映画は見ている。後藤幸一監督は、黒木和雄監督のATG「竜馬暗殺」(1974)のころ新宿のゴールデン街でよく顔を合わせた。「週刊ポスト」のライターだったトミーこと富田幹雄氏が実現に向けて飛び回っていた。

イラストレーターの黒田征太郎氏も製作に名を連ね、トミーは黒木監督と新宿に出没していた。控えていたのが助監督をつとめた後藤監督だった。製作に向けての熱気がうらやましくもあった。

出演は原田芳雄、石橋蓮司、中川梨絵、松田優作、桃井かおり。すごい顔ぶれだ。そのころはかおりもゴールデン街で飲んでいた。

直木賞作家は映画にどこまでのめり込んだのか?まず、なぜおそれ多い書名の本を書いたのかから語られる。

越後湯沢の老舗ホテルの女将が、現代の「雪国」を書いてもらって活性化の呼び水にしたいとの願いを持っていた。この話を聞いた知り合いが盛り上がり執筆を依頼する。98年のことだ。逡巡するが引き受ける。

周囲は99年が川端康成生誕100年にあたることもあり、「100万部だ!」など勝手に盛り上がって行った。

著者は冷静だが小説の完成が見えてきたところで、後藤監督に映画化の話をする。スケベ心があったんだ。映画との相乗効果も計算したのだろう。

果たして小説は売れなかった。「実売は発行部数の1万分にはるかに届かず」の惨敗。著者は出版界では「初版作家」の烙印を押されているという。増刷りがかからないからだ。

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ここでやめておけばよかった。資金のめどもついていないのに地元新潟で映画化の記者会見まで開いてしまう。出版の失敗を「映画で大衆化する」と画餅を思い、塗りつぶしてしまった。

「映画という蜜を求めて暴走をはじめていたのである」と著者も、振り返っている。

on 長いので次回に続きます。止まらない暴走と借金まみれの悲惨な生活を紹介します。

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