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2010年9月 7日 (火)

溝口健二監督の映画「武蔵野夫人」と恋ケ窪・国分寺

田中絹代と片山明彦が武蔵野を散策する。ハケ(国分寺崖線)の下から湧きだす地下水をたずね、湧き水を集めて流れる野川のほとりを歩く。2人はなおも野川の源流を目指す。それは中央線の線路の北側にあった。(小説では湧き水のスポットは小金井の貫井神社)。

2人は人妻道子と年下の従兄弟勉。夫とうまくいっていない道子は、復員した学生の勉に惹かれるものを感じている。

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◀姿見の池にそそぐ恋ケ窪用水


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              ▲姿見の池


小川を逆にたどって恋ケ窪に至ったとき、勉が野良仕事をしているおじさんに尋ねる。「ここは何というところですか?」「恋ケ窪さ」。

言葉の響きに胸を突かれる田中絹代。人妻なのにうろたえてしまう。恥じらいの表情がかわいい。映画が作られた1951年には41歳というのに…(小説の設定では29歳)。

大岡昇平の小説では、こうなっている。

「『恋』こそ今まで彼女の避けていた言葉であった。しかし勉と一緒に遡った一つの川の源がその名を持っていたことは、道々彼女の感じた感情がそれであることを明らかに示しているように思われた」。

「彼女はおびえたようにあたりを見回した。分かれる二つの鉄路の土手によって視野は囲われていた。彼女はここに、つまり恋に捉えられたと思った」。

恋には落ちるが2人は結ばれない。道子が許さないのだ。小説では接吻はさせるが映画では唇さえ与えない。

監督の溝口さんはこの頃、絹代さんに惚れ抜いていたから、そのせいなのか。

それとも道子の夫と浮気をする「戦後的」な轟由起子と対比させるためだったか。

撮影ではどのへんをロケしたのだろう。製作は東宝だから、撮影所のある砧から武蔵野は近い。雑木林や小川、庭の広い郊外住宅、庭先を流れる小川など武蔵野の風景がふんだんに登場する。

多摩を散歩している身にとっては、子どものころの原風景が画面に再現されるだけでも価値がある。

次回は恋ケ窪界隈ををたずねる。

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コメント

あれから11年、風神雷が持つような大きな袋を担いだ又三郎は米軍払い下げの航空服に身を包み、二百十日の武蔵野へゆっくり降り立った。そして従姉との恋ー。金と色の平行四辺形な人間達に惑わされつつも、折りを見ては野川を渡り、恋ケ淵や村山貯水池など古代多摩川の面影を探してあるいた。都市化の波がそこまで押し寄せているー。そんなある日、又三郎はついに風を吹かし嵐を呼んでしまった。二人は森の中のホテルへ駆け込むが…。

あー、いいなあ、武蔵野。素朴で荒々しくて、健康で。種山ケ原ではみんなで馬を追いかけたね。typhoon どーどど どどーど どーどどど 青いりんごも吹き飛ばせ、酸っぱい花梨も吹き飛ばせ typhoon トムちゃんの歩く姿も好きだよ。あー、こんな時代に生まれたかった…。 恋ケ窪

キャー風の又三郎だなンて今どき感激、で ナニ?武蔵野夫人、好み? 私は吉屋信子の少女小説止まりかも。アー、でも『桜の木の下には』死体が埋まってる、? 何か悲しいよ。『はなをたらした神』も大好きよ

皆様、ありがとう北の方では雪が吹き荒れて、しばらくこの寒さ続くようですね。フキノトウの味噌炒め、美味しいよ、雪かぶってた。

『武蔵野』とは違う『日隠山に陽は沈む』 ー 廃炉に向けて苛酷な作業が続く福島第一原発のある大熊町。また汚染土の中間貯蔵・建設候補地ー。その地内にある『海渡神社』と、11㌔西にある日隠山との関係を、梨農家の方が少年の頃から気になっていた、その名の由来を解き証しました。古の人々の心意気が蘇ります…。

『桜の樹の下には』ですか… 満開になりましたね 風がそよともせず 散りもせず… 三たびの授乳期 そうはもう張らなくて 空も 桜もただ白っぽくて 桜の樹の下に何が埋まっているかなんて そんなこともうどうでもいいの

除染廃棄物の中間貯蔵候補地に、六十一件の埋蔵文化財 ー(2014.5.10 東京新聞)。見に行ったわぁ 、双葉高校近くの『清戸迫横穴の壁画』、ゴロッショ(五郎四郎)にある『一里塚』…。地質など建設可能だそうで

あぢぃよ~sweat01 (ι´О`ゞ)
体に凍らせたペットボトル大二本巻き付けて、うちわ扇ぎながら窓際で涼んでます。溶けた氷水飲みながら、遅い(?)残暑見舞い書いてます。もー、べたべた…。『武蔵野夫人』、扇風機のない時代だったんだね?

片山明彦さんが亡くなった。2014年11月16日。何か、そんな気がしていた。誕生月だったし…。健さん追悼気分で自分は‘遥かなる山の呼び声’みたが、 気になって、mobilephoneで調べた。片山さんのご冥福をお祈りします。

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