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2010年4月19日 (月)

政商・岩崎弥太郎①

幻冬舍新書の「岩崎弥太郎と三菱四代」(河合敦)が売れているらしい。日曜の朝日新聞読書欄「売れてる本」で取り上げていた。八重洲ブックセンター本店調べのノンフィクション部門で第5位、すでに6刷9万部を発行しているようだ。

ちなみに1位は「検査のしくみ・検査値の読み方」。2位は「JAL崩壊」でこれはわかるが、いったい何の本だろう。どうして売れているのか、本屋で立ち読みしてこよう。

「岩崎」が売れているのは、もちろんNHK「龍馬伝」のおかげだろうが、類似本があまたある中でも訴える力があった。書評の佐々木俊尚氏(ジャーナリスト)は「その描写に違和感はないが、散見される著者の歴史観、人生観が実にステレオタイプだ」とばっさり。

でも逆に、このステレオタイプが支持されているのだろう。著者はさらに言う。「変動しつつある今の日本社会を、本書のように幕末から明治にかけての大変動期になぞらえるのは最近の流行だ。しかしこのような情緒的な『明治は良かった』論からは、何も生まれない」。

同感だ。清朝末期の腐敗や民衆の蜂起とロシア革命という相手側の事情もあって辛くも日清、日露の戦いには勝ったが、膨張策がもたらしたその後の日本を考えるならば、明治の日本に手放しで賛意を示すことはできない。

ただ、明治の日本人が抱いた、それぞれの夢や努力に郷愁を覚えるのにやぶさかではない。目的を失った今の日本人が思い起こすべきものがそこにはある。どこを目指すべきなのか、みんなが模索する中で、この本の中に答えを探しているのだろう。

見城徹社長の狙いがぴたりとはまったわけだ。ステレオタイプと切って捨てるのはたやすい。しかし、その底にうごめいているのは、鬱積した不満とやり切れなさだ。無党派層が支持した民主党もあのざまだ。自民党と同じ土俵に乗っていては、どん詰まりになることを分かっていなかったのか。民衆は強いパワー、エネルギッシュな牽引者を求めはじめている。それを嗅ぎ分けている見城社長の嗅覚はさすが一流だ。

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