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2010年3月 9日 (火)

近藤勇・産湯の井戸・その8

天保9年(1838)の宗門人別五人組帳が残っている。そこには

武州多摩郡上石原村
一、百姓 源次郎 年六十七才
  …… 
  同断 勝五郎 年  5才
    
      武州多摩郡府中宿高安寺末寺
           同州同郡  大沢村
             禅宗  龍源寺


とある。

源次郎は戸主で宮川家の4代目。勝五郎が近藤勇です。長男の久次郎が5代目を継いでいる。高安寺は足利尊(高)氏の高をもらったともいわれている由緒ある寺だ。崖(府中崖線)をのぼったところにあり、多摩川を望む絶好の場所だったところから高安寺館として何度も陣所になっている。崖を下りれば名高い分倍河原の古戦場跡は近い。藤原秀郷(俵藤太)を祀る秀郷稲荷も寺の西側にある。

宮川家は上石原村なんだけど、宿までは遠いので三鷹市大沢にある龍源寺が菩提寺なんです。
「宮川家は上石原宿から北の方小一里の久保と呼ばれた新田にあった。人見街道と小金井街道の分岐点に位置していたので、辻とも称されていたが、のちに野水とも呼ばれていた武蔵野新懇の地であった。幕府の新田開発事業は亨保改革(1771)の重要な一環になって本格的に進められたが、宮川家の初代弥五左衛門は亨保十七年(1732)に没しているので、新田開発の一員として上石原宿から参加した一人ではなかったか」

近藤勇生家十代目の宮川豊治氏(1925年生まれ)が「近藤勇のすべて」(新人物往来社、93年刊)の一章「近藤勇と宮川家」に記している。亨保改革の前に初代はこの地に開墾の鍬をふるったようだ。

とはいえ宮川家は上石原の鎮守、若宮八幡の氏子だった。「神社の神輿は当家をお旅所としていた。筆者の少年時代には庭で休んでいた神輿を目にしている」と宮川豊治氏。神輿を担いでここまでくるのは大変だったろう。

若宮八幡は京王線西調布駅(昔は上石原駅だった。府中方向に一駅行くと飛田給駅。味スタへの最寄り駅です。東京オリンピックのマラソンでは飛田給が折り返しだった。調布の同級生の家でテレビを見ていてランナーたちが近づいたら甲州街道に出た。裸足のアベベの速さにびっくりした)の南方にある。品川道を越えてまっすぐに行けば左手の杜がそうだ。多摩川を見下ろす崖の上だ。

境内に「当神社と近藤勇との由来」という案内板がつくられている。「慶応4年、甲陽鎮撫隊を率いて上石原村に到着した勇は、この神社の方向に拝礼し、戦勝を祈願したという」。新宿でどんちゃん騒ぎをした一行は、甲州街道を進んだが調布には泊まらずに日野を目指した。勝てば10万石を約束された近藤は得意の絶頂にあったろう。旧甲州街道から若宮八幡は指呼の距離だ。勇もお祭りのときは、ここまで遠征して遊んだのだろうか。

それにしても、どんな理由があって宮川家は新田の開墾に携わったのだろうか。低地で氾濫の恐れはあるが野川に近く、田んぼには良さそうだ。もっとも今の野川は掘り下げられていて洪水など起こしそうにないが、昔は水量も多く、もっと堤防にそって流れていた。工事をしたのは昭和40年代。このために宮川家から100メートルほどの所にある根岸家の水車が川面から離れてしまい水車が回らなくなった。(今、水車をまわす計画が進行中と聞く)。

どうも上石原から開墾に加わったのは宮川家だけのようだ。調布市に属する旧家はこの辺りにはほかにはなさそうだ。他の旧家は皆、大沢村になっている。

ほとんど信用しない方がいいが、八切止夫氏は「誠・新選組 意外史」(日本シェル出版)で「上石原は「武藏風土記稿』によると「浅川にそって流れる大栗川の百草、関戸、府中、上石原は除地なり』と出ている」という。日野の佐藤家をめぐる謎に挑んだ神津陽氏は「新選組多摩党の虚実—土方歳三・日野宿・佐藤彦五郎」(彩流社)で、土方家と宮川家の出自をめぐって、この個所を引いている。

神津陽、何十年ぶりかに聞く名前だ。叛旗派の指導者、著書「蒼氓の叛旗」が話題になったっけ。ブントの統一(他党派は野合といっていた)前は、中大の独立ブントの理論家で、三多摩ブントにも関わっていたんだっけ? 

(話が脇道に行くのでまた明日)

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