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2010年1月16日 (土)

調布の入間川③

「アバターうつ」のつづき

自然とどのように調和して生きて行けばいいのだろう。昔の神道は神社もなかった。ひたすらに自然を畏怖し敬った。奈良の大神神社(おおみわ)のご神体は三輪山だし、埼玉の金讃神社のそれも山だ。多くの神社の最初は自然がご神体だった。後年、仏教が伝来して壮麗な寺を造るようになって原始神道も建物を必要とするようになった。日本人、いや稲作を続けてきた東アジアの民は自然を征服するのではなしに、共存する道を選んだ。共存すなわちあがめて脅威から身を守ってもらう。

これについては平凡社新書「原始の神社を求めて 日本・琉球・済州島」(岡谷公二)が示唆にとんでいる。済州島の堂(タン)、沖縄の御嶽(うたき)、そして大和の神社。それらに共通する聖なる森。朝鮮半島では儒教によって堂が残っているところは少ないらしいが、儒教以前を想像するならば、清らかな森があちこちにあったのだろう。
Cimg0042

日本には八百万の神がいる。山も川も、森も谷も池も沼も、そして雷も豪雨も、川の氾濫も、その他自然現象が皆、神だった。静謐な神社を訪ねると、清々しい気持ちになるのは、そこに神を感じているからだ。自然の力といっても同じことだ。散歩していて神社や寺を見つけるのは簡単だ。近くにいったら周囲を見回して、森を探せばいい。古い神社のぐるりは木で覆われている。樹齢何百年という木が茂っているから、それを目当てにすれば、まず間違いはない。

今は、ナヴィの人たちのように自然のままでは生きられない。必要最小限の弓矢で、その日に必要なだけの動物を苦しませないように射るだけでは暮らせない。電気もガスもガソリンも欠かせない。しかし、日本人は、古来、自然と調和するすべを知っていた。田園が心のふるさとであり、その懐かしさは誰でもが抱いている。ナヴィがすむパンドラに憧れるのではなく、豊葦原瑞穂の国を目指したいにしえの心をよみがえらせてみるしかない。だから日本人は目指す方向が決まっているし明確だ。「アバターうつ」で悩むより、どこでもいい清らかな森を訪れれば、日本のどこにもパンドラの国があることを発見できるだろう。「アバターうつ」の人たちに教えてやりたいものだ。

さて、ようやく入間川に戻る。調布の入間川は、三鷹市との境目に近い調布側が源だ。南下して途中、三鷹市に入ると中仙川と呼ばれていたらしい。西側には仙川が流れている。東側は野川なので中仙川なのか。三鷹部分は今は暗渠になっていて、甲州街道をすぎて調布市に入ると再び入間川となり、流れもあらわれる。コンクリートに護岸されている今時の川だが、右岸の住宅地はなだらかな坂をなしており、左岸はちょっとした崖だ。流れを下って行くと左手に武者小路実篤公園がある。公園は無料なので気軽に入れる。崖の下を利用して庭園が造られていて、わき水がわき、池が作られている。水のあるところに住みたいという子供の頃からの願いを叶えて晩年を過ごした実篤邸もそのまま残されている。さすがいいところに住んでいる。どこから水が湧いているのかと、多分ボランティアの女性に聞いたら、わざわざその源まで案内してくれた。お年を召した人だったが労をいとわない気持ちに頭が下がった。
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公園の敷地は約5000平方メートル。大小の池があり、コブシ、サクラ、フジ、武蔵野の野草が茂り、秋の紅葉も鮮やかな赤をしていた。あずまやもあって休むこともできる。記念館は大人200円。5週間ごとにテーマをかえて展示をしているのでHPで確認するといいだろう。ちなみにwww.mushakoji.org
真ん中に穴のあいたすずりが展示してあったのでボールペンでメモを取っていたら係の人が「禁止なんですよ」といって鉛筆を渡してくれた。叱るでなく、鉛筆を渡してくれた心遣いがうれしかった。でも、穴の開くほどつかったなんて信じられない。        

(つづく)

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